【d!】迷い込んだ無敵な社畜さん

6階・桔梗紫 ページ27

「ｯさむ……」

降りた先は、…某ブロックワールドを
模した夜空の草原。土やら木やらなんならや
が全て立方体。

…なんか外をみたのが久しぶりだな

というか、今現実世界ではどれくらい
経っているのだろうか。せめて1時間くらいだったら

「いいのだけれど、」




？「寒い？」
「ｯ……」

紫のストールを巻いた男の人は、
数匹の犬をつれていた。彼も暖かくは
無さそう…。

素直に頷くと、手を引かれ静かな
木の家に案内される。ほんとに
ゲームの世界に入ったみたいだ



「あの、…」
ni「ん、あぁ、」

ni「俺は、兄さんだよ。」
ni「ここの住人。この世界はどう？」
「…某ゲームに似てるな、と思います」
ni「それを模したからな」

ni「はい、どーぞ」
「…ありがとうございます」

大きめのコップには、湯気がたった
茶色い…恐らくココア。この世界って
ココアあるっけ？

ni「Aさん」
ni「ここまでよく来た。俺ら全員を落とすなんて」
ni「頑張ったな」


「…どう、も…？」

彼はゾムは、ここが…トントンはここが…
等親しげに彼らの特徴を漏らしていく。
機密漏洩にならない？

オスマンさんまで言い終わると、くすっと
微笑んで

ni「…多分、そんな感じやから気に入られたんやろうな」

ni「次が、グルッペンの階だよ」
「！」
ni「グルッペンも手中におさめたら、晴れて自由」
ni「…だけどさ、ホントにそれでええの？」

「何が、ですか」

窓にうちつける雨水。落雷も遠くから聞こえる
彼は、ココアを1口すすったあと私の目を射止めた

ni「こっちにこない？」


ni「見ての通りここは働かなくてええし、
飯も好きなだけ食える」

ni「なにより、働かない君を認めてくれるよ」
ni「どうかな」

「…私は、会社で仕事をすることに価値を置いてますので」

この人ま、オスマンさん同様口が
回るタイプ。何とかして階段を
案内してもらわなければ

ni「……俺らは、君を生きてるだけで認める」
ni「会社よりずっと君を大切にする」

ni「それに……ゾムとか、シャオロンとかは君を
手放す気はないらしいけど？」

「…そうは言われましても」

こちらだって事情がある。下の階の
行き来を自由にする頼みを聞くことはできても

私が残る可能性なんて、ないよ


ni「…A、」

ni「ずっと俺らといようよ」

「ｯ！」


視界が、一瞬ぐあんと回った

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