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黒板に、《卒業おめでとう》の字。

黄色、ピンク、青、緑、白。
そして、なぜか私たちの教室だけに置いてあったオレンジ色のチョークで彩られて、その字は内包された寂しさごと賑やかに飾り立てられていた。


絵の上手いアイツが描いた桜と小さな可愛い豚の絵は、調子に乗った画伯と名高い奴らの謎の絵で囲まれている。「曼荼羅」とか「アラル海」とか、このクラスだけに伝わる言葉が羅列されている。


その中の「猿山先生最高」の字に、ちょっとだけあの時より大人びた笑みを浮かべた。



教室にいるのは私だけ。
みんなは最後の写真撮影をしに校庭へ出て行った。
きゃあきゃあした賑わいが鉄筋コンクリートと窓ガラスの外からくぐもって聞こえる。

自分の机をひと撫でして、立ち上がる。



『……せんせ、大好き』


あの時どうしても真摯に言えなかった言葉が、本人不在の教室ではするりと出てくる。
可笑しいな、なんて思ってクスリと笑った。



「……知ってる」


後ろから聞こえたその声に驚いて振り返る。
そこには、格好つけて腕を組んだ先生がいた。なぜかニヤニヤ笑いながら。



『猿山……!居たんだ、陰キャすぎて気づかなったわ』

「だれが陰キャじゃ」


机に手を着いて、こっちへ歩いてくる。
今更何言うつもりだよ、とも思ったけど、口には出さなかった。

久しぶりの「二人っきり」は、覚えていたのより3倍も4倍もほろ苦くて、それでも確かな甘さがあった。

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774号(現在稼働中)(プロフ) - 〜さん» わ、ありがとうございます〜!今後色々加筆修正するかもです! (3月30日 6時) (レス) id: d970fcc3ac (このIDを非表示/違反報告)
- 完結おめでとうございます!!こんな神作を執筆中に見れたという事を誇りに思います!! (3月29日 21時) (レス) @page8 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
774号(現在稼働中)(プロフ) - 〜さん» ありがとうございます!続きをもう少々お待ち下さい! (3月26日 17時) (レス) id: d970fcc3ac (このIDを非表示/違反報告)
- 好きです!!!もう最高です!!!! (3月26日 13時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
774号(現在稼働中)(プロフ) - しぃさん» ご注意本当にありがとうございます、なぜか外れません、、、現在運営様に報告しております。 (3月25日 22時) (レス) id: a4d1e34ed0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:774号(現在稼働中) | 作者ホームページ:続きます  
作成日時:2024年3月25日 19時

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