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「そういえば今日初めて参拝者さんが来てたの見たよ。近所に住んでるおばあさん。神社が前より綺麗になっててびっくりしてた」
「そうやってたまに来る爺さん婆さんから神社のことが広まってくれるとええんやけどな」
団子を食べながら雑談をしていると、突然ロボロの動きがぴたりと止まる。
酒を飲んでいる手が止まり、何かに耳を澄ませているように、視線は斜め下のまま動かない。
「ロボ…」
「しっ…」
ロボロはAの口元を手で覆う。
「誰か神社に入ってきた」
時刻は夜９時半。
諸説あるが、神社には朝日が昇ると共に神様が降りてきて、日が沈む頃に帰ると言う話がある。
『夜神様は社にいない』という説だ。
この神社は本殿の周りにあるコの字方の建物の各部屋に皆いるが、中央本殿は夜不在になる。
Aが来てからは眠る前にロボロやシャオロンがいるぐらいで、神様がいないとされてる夜に、人が来る理由など限られている。
「多少綺麗になってきたとはいえ…こんな廃れた神社に夜来るとは、余程切羽詰まった願いがあるか、あとは…」
ロボロがそこまで言うとAの耳にも男女の笑い声が聞こえてきた。
覆っている手を引き剥がすと、小さな声で耳打ちする。
「もしかして…肝試し？」
「せや。ここ最近は無かったんやけどな…」
舌打ちをするロボロ。
キュッと酒瓶を閉めると縁側から部屋に入るようAの背中を押す。
大人しく従うAは部屋の明かりとなっている蝋燭をふぅと消した。
「Aはここで大人しくしとるんや。ええな」
「どうするの？」
心配そうに見つめるAにロボロは微笑む。
「最近はなかった言うたやろ？何度か同じこと経験しとるで大丈夫や」
ロボロが顔の前に自身の手の平を持ってくると『天』という布が現れる。
表情の見えなくなったロボロは「何も心配せんでええで」と言い残し、部屋を出て行った。
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味鈴(プロフ) - あいすみるくてぃーさん» ありがとうございます！好きに刺さったなら幸いです！気長にやっていきますのでよろしくお願い致します！ (6月5日 7時) (
レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
あいすみるくてぃー - 初コメ失礼します！めちゃめちゃ好きです！続き楽しみです♪ (6月4日 0時) (レス) @page10 id: 371807440b (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - 檸檬さん» わー！コメありがとうございます！気長にやっていきます！嬉しいです！ (6月3日 21時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 初コメ失礼します！応援してます！投稿も頑張ってください！ (6月3日 20時) (レス) @page4 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年6月2日 21時
