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「どうしたら……Aさん…！Aさん！」
倒れたゾムを両サイドから支えるトントンとチーノ。
大先生、シャオロン、ロボロ、コネシマもAの元へ駆け寄る。
「なんや！何が起こっとる！」
「Aさんの呼吸が浅い…身体も冷たくなっとるし…心臓もこんなゆっくりなんて…止まってまう…！」
皆が慌てふためいていると、草陰からチリンと鈴の音が鳴る。
凛と澄んだその音は全員の耳に届き、音のした方を見ると、黒猫が１匹佇んでいた。
「ニャン…カス…？」
「前の黒猫…？」
猫の瞳は、茜色の空を映したかのような美しい色だった。
Aを見つけると鈴の音を鳴らしながら近付き、にゃあと鳴き声を上げる。
『お前ら、これぐらいで狼狽えんな』
突然聞こえた声に皆、まるでピンと背中が伸びるような感覚になる。
どこかで聞いたような懐かしい感覚はこの黒猫からするような気がする。
黒猫が近付くと、Aのブレスレットが光った。
黒色のガラス玉は小さな光を放っている。
『A、無理な力の使い方は身体を壊す。与えた力は上手く使えるようになれ。ええな』
黒猫がAの頬にキスをする。
瞬間、Aの顔色は落ち着き、すぅっと大きく息を吸って心拍も取り戻していた。
「Aさん…！」
「A…！」
ショッピは安心したようにAの顔を自分の首筋に埋めるように抱きしめた。
心臓もしっかり動いており、体温も戻っている。
「あ、あれ？猫は？」
少し目を離した隙に、黒猫は姿を消していた。
辺りを見渡してもあの鈴の音は聞こえず、皆困惑の表情を浮かべている。
「聞こえた…よな？あの声」
大先生の問いに全員が頷く。
ただ、トントンだけが何か考えるように視線を落としている。
「とにかくAさんとゾムさんを運びましょう。倒れてる女達と逃げた男達は俺が記憶操作しておきます」
チーノの提案に了承し、ゾムとAをそれぞれの自室に運ぶ。
肝試しをしていた男女はチーノが上手く処理をし、持っていたスマートフォンから撮影データも消した。
一体何が起こっていたのか、その場にいる全員まるで分からなかった。
Aが来てから著しく変化する日常への対応は彼らも同じで、どうやら考えなければならないことが山積みのようだ。
それは、冬の寒さが近い秋の夜の出来事ことだった。
第五章 『神様なんか』
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味鈴(プロフ) - あいすみるくてぃーさん» ありがとうございます！好きに刺さったなら幸いです！気長にやっていきますのでよろしくお願い致します！ (6月5日 7時) (
レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
あいすみるくてぃー - 初コメ失礼します！めちゃめちゃ好きです！続き楽しみです♪ (6月4日 0時) (レス) @page10 id: 371807440b (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - 檸檬さん» わー！コメありがとうございます！気長にやっていきます！嬉しいです！ (6月3日 21時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 初コメ失礼します！応援してます！投稿も頑張ってください！ (6月3日 20時) (レス) @page4 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年6月2日 21時
