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・・・
早朝、キジバトの鳴き声で目を覚ます。
俺は自室の自分の布団の上にいて、衣服昨日のままだった。
「………A…A！？」
ガバッと起き上がると自分の髪が伸びていることに気がつく。
昨日のアレは夢じゃなかったんだと改めて思い知らされ、慌ててAの部屋へ向かう。
俺は昨日、誰かを傷付けたか？
記憶が曖昧だ。
でも、Aを地面に押し倒して、爪を立てて押さえつけたような記憶がある。
コネシマにも…襲いかかったんじゃないだろうか。
「A…！」
渡り廊下を通り、Aの部屋の襖を開けると、そこには大先生が部屋の壁に背を預けたまま眠りについていた。
Aは布団の上でスースーと寝息を立てており、心底安心してそばに行く。
「よかっ……よかった…俺…殺してしまったかもしれんって……」
よく見ると手にはガーゼが当てられており、手首にも包帯が巻かれていて痛々しい。
「ごめん…ごめん……」
傷付いたAを見て、息の詰まるような感覚になる。
温かい頬を撫でると、後ろからチャッと刀を向けられた音に気がついた。
「ゾム」
脇差を向けているのは大先生だった。
俺の後頭部に刀先を向け、見下ろすように立っている。
「……ゾム。意識は？」
「…はっきりしとる…昨日のことはその…曖昧やけど…苦しいとか…そういうんは今…ない」
両手を上げ振り向くと大先生と目が合う。
大先生は脇差をしまうと、泣きそうな顔で俺を見た。
「よかった……仲間を…殺さなあかんかって…」
「……すまん。ほんまに…」
昨日の発作が嘘かのように、今はまるで何も感じない。
毎日いつ魔物になってしまうか怯えていたのに、黒いわだかまりのような胸のつかえは綺麗に無くなっていた。
「覚醒した感じはせぇへんけど…そこんところはどうなんや？」
「俺もそんな感じは無い。強いて言えば…嫌なもんが綺麗さっぱり無くなった感じや」
何がどうなっているやら、記憶が曖昧な自分ではよくわからない。
Aが目覚めたらいろいろ聞かへんと。
「そうか…とにかくお前もAも無事でよかったよ」
「……せやな。ありがとう」
今はとにかく休ませてあげなくては。
引き続き大先生に見張りを任せ俺は自室に戻ることにした。
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味鈴(プロフ) - あいすみるくてぃーさん» ありがとうございます！好きに刺さったなら幸いです！気長にやっていきますのでよろしくお願い致します！ (6月5日 7時) (
レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
あいすみるくてぃー - 初コメ失礼します！めちゃめちゃ好きです！続き楽しみです♪ (6月4日 0時) (レス) @page10 id: 371807440b (このIDを非表示/違反報告)
味鈴(プロフ) - 檸檬さん» わー！コメありがとうございます！気長にやっていきます！嬉しいです！ (6月3日 21時) (レス) id: 0263eefc6e (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 初コメ失礼します！応援してます！投稿も頑張ってください！ (6月3日 20時) (レス) @page4 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：味鈴
| 作成日時：2023年6月2日 21時
