13: あんさんも文句言いにきたんか？ ページ13
もう辺りは日が暮れていた。異世界であっても朝や夜といった時間経過は同じようだ。空にはすでに月がぼんやりと顔を出しており、街灯なんてものがなく、スマホもない異世界の小さな村では近くにいるはずの人を見つけ出すのが難しい。目を凝らし、周囲を見渡す。人影ひとつ見つけられず、また明日に出直そうかと考えていたその時だった。
「おい」
…背後から不機嫌そうな声を投げかけられたのは。
よくよく見れば人間とは違って、彼の耳は鋭い。種族特有なのか筋肉はごつごつしており、彼が成人男性ならば私と同じ目線なのは身長が低く感じる。
「…人のことジロジロ見よって。何やあんさんも文句言いにきたんか？」
ホビットという種族がどのようなものなのかは知らないが、彼はやるせない気持ちを全面に出しておりその動作はどこか鋭い。
「違いますよ」
「じゃあなんや。暇じゃない時間を使ってわざわざ、俺に何を言いに来たんや」
「ただ、」
「ただ？」
「あなたのこと、知りたくて」
「、は」
咄嗟に変なことを言ってしまったと、口元に手を当てる。ロボロ、と呼ばれた青年はただ不審そうに…そして心地悪そうに顔を背けた。
「ロボロさんですよね。ロラさんが探してましたよ。もう暗くなっていますし、帰りましょう」
「………」
「あ、私はAって言います。一晩ロラさんのところでお世話になるので迎えにきた所存です。ご挨拶遅れて申し訳ない」
「客は」
「…はい？」
「客はもう居らんのか」
「あぁ、まあそうですね。帰られましたよ」
そうか、とロボロさんは呟くと彼はそのままロラさんの店の方に歩み始める。
「えーっと、ロボロさん？」
「…なんや」
「昼はありがとうございました」
「礼を言われるようなことしてないやろ」
「でも井戸水飲もうとしてた私を止めてくれたじゃないですか」
彼は無言だ。あまり続かない会話が非常に心地悪く私もまた無言になる。
ロラさんの店の前まで来て彼は一度立ち止まり、振り向きもしないまま「俺とはあんまり関わらん方がええ」とだけ溢した。聞き返そうにもすぐに動き出した彼を止められるわけもなく、ただ疑問だけが残る。
考えたって無駄ではあるが、ロラさんが彼のことを寂しいと言った理由も、彼が自分と関わるなと忠告した理由も、───未だに分からない。
「…とりあえず、疲れたし寝るか」
ロラさんの準備してくれた部屋で寝転ぶ。近くに梟がいるのか梟の鳴き声が子守唄となり、私は眠りについた。
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#みなせ(プロフ) - はァｯバチくそに大好きな作品を見つけてしまった…!!!いや、見つける運命だったのかもしれない!!!!!!!rbrと夢主ちゃんが最初に仲間になるの…神では???続き楽しみに待ってます!!!!!!!体調にお気をつけください〜! (4月30日 17時) (
レス) @page35 id: af4a079e32 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - おもちさん» コメントありがとうございます…！最新話までお読みいただき感謝しかありません。おもち様もご自愛くださいませ！今後ともよろしくお願いします。 (8月2日 13時) (レス) id: 34023827fc (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます…！面白いと言っていただきすごく安心しました！ゆっくり更新ではありますが今後ともよろしくお願いします。 (8月2日 13時) (レス) id: 34023827fc (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 次の展開が楽しみすぎる！無理せず頑張ってください！ (7月25日 22時) (レス) id: 5f4d3dd2ed (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (7月24日 17時) (レス) @page29 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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