19:かくれんぼしましょう ページ19
ロボロさんは何も言わずに私を店まで送ってくれた。ポーションとやらは生身にしか効かないようで彼は川で服を洗ってくるとそのまま姿を消す。
瞼を真っ赤に腫らした私を見たロラさんは朝から驚いたようで、目を冷やしておいでと開店作業を休ませてくれた。とはいえずっと休み続けるわけには行かずに、開店と同時に店に出る。
ロボロさんはいつもと変わらぬ顔をして裏方の作業に取り掛かっており、それがまた何だか切なかった。
.
「…Aちゃん、Aちゃん」
「ん、どうしたの？」
店の前を掃除しているとロラさんのお店の向かいに住む女の子、ララちゃんが私の服の裾を掴む。私は彼女に目線を合わせ微笑むと、彷徨わせていた視線が合う。不安気に揺れている瞳に胸騒ぎを覚えて、彼女の言葉を待つ。
「…あのね、ルルが帰ってこないの」
「ルルくん…？どこから帰ってこないの？」
「…あっち」
ルルくんとは彼女の双子の弟。
そしてララちゃんは森の方を指差す。
「朝ね、いっしょにあそびにいったの。かくれんぼしようってなって、ララが鬼になってさがしたの。」
「…うん」
「ルルを見つけられなくて、ララはおなかがへったから帰ってきたの。」
「…うん」
「ララとルルはおからだがいっしょだから、おなかがへる時間もおなじはずなのに、いないの」
「………うん、分かった。私が見つけてきてあげる。今、ララちゃんのお母さんは？」
「ままはおしごとでおうとってところに行ってる」
「そっか。ならママが帰ってくる前にルルくんもお家に帰らないとね…！ララちゃんは村長さんの家、分かるかな？」
「うん」
「なら今の話を村長さんにしてあげて。みんなでルルくんを見つけようか」
「…うん！」
村人にとって森は危険だと、ロラさんに教えてもらった。傭兵たちは魔物なんて居ないと言っていたが実際にあの森は深く、崖や洞窟も多いため迷ってしまうと帰ってこれない可能性もあるらしい。そんな場所にまだ5歳の子供が迷い込んでしまったのならば怪我だけでは済まず最悪の場合、死に至る。
「…そんなとこで突っ立ってどないしたん。サボりか？」
「ロボロさん！」
「な、なんや」
「私、森に行ってきます！」
「は、はぁ！？」
「ロラさんにごめんなさいって伝言お願いします！」
「森って言ってもあんた………って、もう聞いとらんし！」
ロボロさんが何やら言っている気がするが、考えるよりも先に体が動いてしまう。今は一秒だって無駄には出来ないのだ。
20:みんなが来てくれるからさびしくない→←18:生きとる限り大丈夫やろ
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#みなせ(プロフ) - はァｯバチくそに大好きな作品を見つけてしまった…!!!いや、見つける運命だったのかもしれない!!!!!!!rbrと夢主ちゃんが最初に仲間になるの…神では???続き楽しみに待ってます!!!!!!!体調にお気をつけください〜! (4月30日 17時) (
レス) @page35 id: af4a079e32 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - おもちさん» コメントありがとうございます…！最新話までお読みいただき感謝しかありません。おもち様もご自愛くださいませ！今後ともよろしくお願いします。 (8月2日 13時) (レス) id: 34023827fc (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます…！面白いと言っていただきすごく安心しました！ゆっくり更新ではありますが今後ともよろしくお願いします。 (8月2日 13時) (レス) id: 34023827fc (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 次の展開が楽しみすぎる！無理せず頑張ってください！ (7月25日 22時) (レス) id: 5f4d3dd2ed (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (7月24日 17時) (レス) @page29 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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