22:よ〜やく、レベルアップしたなぁ ページ22
剥き出しになった足を剣で斬る。ぴしゃり、と頬に紫色の血がかかるが気にしてなんかいられない。理性を失ったオークは片目から血を流し、もう片目を充血させて私へ渾身の力で殴りかかる。
「もう片方も、もらったで」
ロボロさんは火打石で素早く火を起こすとそのまま弓を引いた。矢の先に炎を纏わせて、一本の矢が風を切る。
「グォオオオオオオオオオオオオオオオ」
炎の纏った矢は、オークのもう片方の瞳に刺さり着火する。皮膚の燃える匂いと、生臭い血の匂いが、充満し鼻を抑えながら退避した。───もちろん、洞窟の近くにいたルルくんも回収して。
「ルルくん、無事！？」
「…ふーん。今度の勇者はなかなかやるじゃん」
「…るるく、…」
「うえっ………」
「ルルくん！？」
ルルくんが小さく呟いた後、彼の口から黒いモヤのようなものが吐き出される。咄嗟に彼を地面に下ろして背中をさするが、吐き出されるものはすべて気体で、重力とは反対に空へと消えていった。
「あ、れ…Aちゃん…？」
「ルルくん、大丈夫？気持ち悪いの治った？」
「う、う、うぇーーーん！！」
全てを吐き出したのか、口から気体が消えると彼は泣き出して私に抱きついてくる。そうだ、今思えばララちゃんと違ってルルくんは泣き虫だった。あんな場所で一人でいて泣かないわけがないのだ。
「魔王軍やろな」
木から飛び降りてきたロボロさんが私の隣までくると、ルルくんの足元に転がっていたビー玉のような石を拾う。
「オークを操っとったのも、その子に取り憑いとったのも、ヤツらの仕業や。」
そしてその石を彼は握りしめて、砕く。
「ま、無事でよかったわ。」
「…ロボロさぁん…！」
死にかける体験をして、私もルルくんも無事で。
ロボロさんが小さく笑うから私まで泣けてきてしまった。ぐすんぐすん、と鼻を啜る私に慌て出すロボロさんが手を伸ばすのと、腰を抜かしていた村長たちが近寄ってくるのは同時だった。
「よ〜やく、レベルアップしたなぁ」
─勇者のLv.が上がりました。ステータスを変更します。
［A Lv.5 種族人間 駆け出し勇者］
［筋力:12］［体力:10］［魔力:1］［知恵:25］
［素早さ:15］［魅力:8］［物理防護力:5］
［魔法防護力:0］［幸運:42］
［スキル:神からの寵愛］
［スキル:？？？］※この情報はまだ開示されません
［スキル:？？？］※この情報はまだ開示されません
［特性:異世界からきた者］
遠くで神が微笑んだ気がした。
23:可愛い子には苦労させろ→←21:"神からの寵愛"が発動します
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#みなせ(プロフ) - はァｯバチくそに大好きな作品を見つけてしまった…!!!いや、見つける運命だったのかもしれない!!!!!!!rbrと夢主ちゃんが最初に仲間になるの…神では???続き楽しみに待ってます!!!!!!!体調にお気をつけください〜! (4月30日 17時) (
レス) @page35 id: af4a079e32 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - おもちさん» コメントありがとうございます…！最新話までお読みいただき感謝しかありません。おもち様もご自愛くださいませ！今後ともよろしくお願いします。 (8月2日 13時) (レス) id: 34023827fc (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます…！面白いと言っていただきすごく安心しました！ゆっくり更新ではありますが今後ともよろしくお願いします。 (8月2日 13時) (レス) id: 34023827fc (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 次の展開が楽しみすぎる！無理せず頑張ってください！ (7月25日 22時) (レス) id: 5f4d3dd2ed (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (7月24日 17時) (レス) @page29 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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