31:たっぷりとおもてなしをどうぞ ページ31
風の里───ベレニカ。
王都から馬車で移動し丸三日ほどで辿り着いたその土地は、風車がいくつも並び、風の里と呼ばれるのにも納得がいく。
「わぁ、風が気持ちー…」
「風の里の風が不快やったらそんな名前にならんやろ」
「でた。すぐそうやって否定する」
「生憎、俺は現実主義なんでな」
「はいはい」
私とロボロの冷戦は続いていた。もう奴に対して取り繕う気もなく、呼び捨てタメ語を徹底している。私の小さな反抗については彼に効果はないようで相手にもされずに「行くで」とローブのフードを掴まれた。
「今回の依頼は、遺跡周辺の安全確保だったっけ？」
「そうや。物理型モンスターがうようよしとるらしいし、遺跡ん中に入るわけやないから難易度もそう高くない」
「トントンさん、ああ見えて私たちにぴったりの仕事見つけてくれるよね」
「認めたくないけどな」
「……魔導士の仲間も見つけられれば一番いいんだけど」
「ベレニカは有名な魔導士を多く輩出しとる里や。有力な奴の一人や二人は見つけられると思うで。」
「そうなんだ…！」
「そこまで見越してトントンは俺らを送ったんとちゃうか？」
「さすがだ…しばらくはクレーム出すのやめておこっと」
「やっぱり犯人お前やったんやな」
「まあね」
どや顔を返してみせるがロボロは素知らぬ顔をして進んでいく。こういうノリの悪いところが異性からモテない原因だと彼は分かっているのだろうか。
「依頼してくれた宿舎のオーナーのお家ってここであってるよな」
「…これが宿舎、？」
風の里、という名前からして爽やかな印象を持っていたのだが、目の前の建物は里中の湿度を集めましたと言わんばかりの風貌をしていた。太陽の日差しを遮るように植えられた木々のせいで日陰となっており、玄関先にはキノコまで生えている。
「あのー…こんにちはぁ…？」
「おやぁ、お客さんかい」
宿舎の扉を開くと、推理小説で殺人の舞台になりそうな古びた洋館が広がっており、扉と館内を三度見する。
「え…？明らかに外観と中が…？」
「おやおやおやぁ、お客さんは魔法を見るのは初めてかい」
「ま、魔法！？」
「そうだい。魔法だよ。」
魔女帽と呼べば良いのか、某魔法少年映画に出てくる寮分け帽子を被った老婆は薄く笑うと指を弾く。
「久しぶりのお客さんだからねぇ。たっぷりとおもてなしをしないとねぇ」
……ぱちん、と眩い光が視界を包み、そして宿舎の中にある家具が一斉に動き始めた。
32:夜空を見上げるのも悪くはない→←30:早くあの憎たらしい敵を倒したいです
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#みなせ(プロフ) - はァｯバチくそに大好きな作品を見つけてしまった…!!!いや、見つける運命だったのかもしれない!!!!!!!rbrと夢主ちゃんが最初に仲間になるの…神では???続き楽しみに待ってます!!!!!!!体調にお気をつけください〜! (4月30日 17時) (
レス) @page35 id: af4a079e32 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - おもちさん» コメントありがとうございます…！最新話までお読みいただき感謝しかありません。おもち様もご自愛くださいませ！今後ともよろしくお願いします。 (8月2日 13時) (レス) id: 34023827fc (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます…！面白いと言っていただきすごく安心しました！ゆっくり更新ではありますが今後ともよろしくお願いします。 (8月2日 13時) (レス) id: 34023827fc (このIDを非表示/違反報告)
おもち - 次の展開が楽しみすぎる！無理せず頑張ってください！ (7月25日 22時) (レス) id: 5f4d3dd2ed (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (7月24日 17時) (レス) @page29 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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