shp−3 ページ19
「えと、何して……」
「ああ〜〜〜！！」
「あ、怖いなぁ、ごめんな。まま探したるから泣かんといてやぁ」
突然名前を呼ばれと思えば同じクラスの塩戸くんがいた。
泣いている子供をあやしている私に大変困惑している様子。私も戸惑ってるよ、おそろいやね……。
「あー、迷子なん？その子」
「うーー……多分？ままーって泣いてばっかでなんもわからんくて……。私子供の相手とかしたことないから泣き止ますのもできんくて……」
「ふぅん、なるほど……？」
女の子の背中をできるだけ優しく擦りながら塩戸くんに現状を伝えると、彼はポケットから飴を取り出した。
え、と驚き塩戸くんを見上げると今まで見たこともない顔と声で女の子に声をかけた。
「なぁ、飴すき？いちご味のやつ」
「あ、ん。……うん。ﾋｯｸ、すき」
「はぇ」
「よかったぁ、ほなこれあげるな。お兄ちゃんな、平和ってお名前なんや。このお姉ちゃんは千寿ちゃん」
「ひらかず、くんと、千寿ちゃん……？」
「そう！お嬢ちゃんのお名前も教えてくれへんかなぁ」
「みくのお名前、みく」
みくちゃんって言うんや、よろしく。と女の子……みくちゃんの頭を撫でる塩戸くんに絶句した。
なんで、私が聞いても全然答えてくれなかったのに。ていうか塩戸くん子供好きなの？何その声と顔、入学して同じクラスになってからはや数ヶ月見たことなかったけど。
二重の驚きで固まっていれば塩戸くんがとりあえず一旦座ろ、と近くのベンチを指さした。
「ん、抱っこ変わるで」
「あ、え、ありがとう……？みくちゃんお兄ちゃんのお膝乗れるかな？」
「うん！ひらかずくん、だっこ」
「はいはい、よいしょ」
すっかりみくちゃんは泣き止んでしまったらしい。塩戸くんの膝の上で彼のパーカーの紐で遊んでご機嫌だ。
でも迷子の問題は解決してない。とりあえず情報をある程度聞き出して迷子放送を掛けてもらおう。
「ねぇみくちゃん、みくちゃんは今日誰とお出かけしに来たの？」
「んとね、ままとぱぱときた！」
「みんなでお出かけやったんや。ままとぱぱにどこどこで待っててねーって言われたりせんかった？」
「……う、わかんない。ままぁ……」
「大丈夫やで、千寿お姉ちゃんとお兄ちゃんがすぐままとぱぱ見つけたるから」
親御さんから何か言い付けられていないか聞くと寂しさと怖さがまた出てきたらしい。
瞳に涙を浮かべるみくちゃんを塩戸くんが優しくなだめてくれた。
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爛々炯々(プロフ) - コメントありがとうございます！ciさんは待つ側が似合うなぁと思って書きましたので、かわいいと思っていただけて嬉しいです (5月3日 18時) (
レス) id: 941ba7a10b (このIDを非表示/違反報告)
犯罪者予備軍(プロフ) - なるほど弱々チノくんクソ可愛いくて好きです (5月3日 9時) (レス) @page34 id: 121e844a58 (このIDを非表示/違反報告)
爛々炯々(プロフ) - 闇の塩分さん» コメントありがとうございます！口調や彼ららしさを表現するのにはかなり苦戦していますのでそういっていただけて嬉しい限りです！かなりのんびりの更新になってしまいますが、ぼちぼち更新していきます！ (2022年8月25日 0時) (レス) id: d8421960c5 (このIDを非表示/違反報告)
闇の塩分(プロフ) - 初コメ失礼します！女の子が毎回可愛く書いてあって好きです！wrwrdの皆さんの口調というか、性格も掴んでて……私的にはtnさんのお話が好きです！これからも自分のペースで更新頑張ってください！(￣ー￣)ｂｸﾞｯ! (2022年8月24日 15時) (レス) @page9 id: f6e8056ac4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：爛々炯々 | 作成日時：2021年8月27日 0時
