shp−3 ページ3
「その、昔さ、お前が友達と話しとったん聞いてん」
「話？なんのよ」
「デートで水族館は、いややなぁって言うとったやつ……」
「え、そんなこと言うたっけ……？」
「なんか、初デートは水族館がいいとかなんか話しとるときに……。」
まだショッピくんと付き合う前、友人から初デートは遊園地とかより水族館がいいんだってー、並ぶ時間とかないからといったような話を聞いた覚えがある。
「デートで水族館かぁ、私やだなぁ。恋人にもっと水槽見たいとか言いづらいし、変に気使ってデートも水族館も楽しめなさそうやもん。」
そう答えた、気がする。
「え、え！？あれ付き合う前やん！ずっと覚えとったん！？それでずっと誘わんとおったん！？」
「そら覚えとるやろ、俺水族館好きやし。でもお前そんなこと言いながらCM見たら水族館ええなぁとか言うし、話振ってくるし、誘ってええんか悪いんか分からんかってん。」
「ああ、あの微妙そうな顔はそういう事やったんか……。」
これは申し訳ないことをした。まさか聞かれているとも思っていなかったし、覚えているとは……。
たしかに水族館デートは嫌だった。あの時は心底そう思っていた。
「あんね、水族館デートあん時はほんまに微妙やなぁと思っとってんよ。」
「……うん。」
「でもな、今ほんまに嬉しいねん、ショッピくんが一緒に回ってくれて急かさんと、先にも行かんと、ずっと横におってくれてるの。正直私の水族館巡りめちゃくちゃ遅いと思うし、それが一緒に行く人の迷惑やろなぁって思っとるよ。」
「いや、別に俺は」
「うん、わかっとる。ショッピくんはきっとそんなん思ってへん、思ってもずっと横におってくれるって。ね、だからやねんで。だから私ショッピくんと水族館来れてめちゃくちゃ嬉しいねん。」
あの時は、もし恋人と水族館に行ったら気を使って水槽をじっと眺めることも出来ずに終わるんだろうと思ってた。でも、でもね？
「私、ショッピくんが私に困ってくれるって、私の事好きでいてくれるって、わかっとるから！」
ありがとう、次は私を君で困らせて？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
爛々炯々(プロフ) - コメントありがとうございます！ciさんは待つ側が似合うなぁと思って書きましたので、かわいいと思っていただけて嬉しいです (5月3日 18時) (
レス) id: 941ba7a10b (このIDを非表示/違反報告)
犯罪者予備軍(プロフ) - なるほど弱々チノくんクソ可愛いくて好きです (5月3日 9時) (レス) @page34 id: 121e844a58 (このIDを非表示/違反報告)
爛々炯々(プロフ) - 闇の塩分さん» コメントありがとうございます！口調や彼ららしさを表現するのにはかなり苦戦していますのでそういっていただけて嬉しい限りです！かなりのんびりの更新になってしまいますが、ぼちぼち更新していきます！ (2022年8月25日 0時) (レス) id: d8421960c5 (このIDを非表示/違反報告)
闇の塩分(プロフ) - 初コメ失礼します！女の子が毎回可愛く書いてあって好きです！wrwrdの皆さんの口調というか、性格も掴んでて……私的にはtnさんのお話が好きです！これからも自分のペースで更新頑張ってください！(￣ー￣)ｂｸﾞｯ! (2022年8月24日 15時) (レス) @page9 id: f6e8056ac4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：爛々炯々 | 作成日時：2021年8月27日 0時
