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そのまま隣を歩きながらいくつ?とか名前は?とか質問をしてくる男をのらりくらりと躱しつつ出口へと向かっている途中、Aはふと異変を察知した。
『なんか奥から音が…』
sha「え?」
廊下の奥から人が走るようなドタバタとした音が聞こえてきたのだ。二人共一体何ごとかと後ろを振り返る。
と、次の瞬間。
Aの体が宙に浮き、驚く間もなく男の肩に担がれた。Aを担ぎ上げた男はそのままものすごい勢いで走り出し、
sha「お姉さんそんな喋ると舌噛むで!」
そのまま男は一気に走るスピードを上げた。
『ぐぇっ…』
苦しそうに呻くAのことなどお構いなしに男はそのまま走り続ける。
こいつ正気か?などと心の中で男を罵倒しつつ、男の言う「アイツら」が気になり、なんとか顔をあげて廊下の奥を見てみた。
暗くて顔は見えないが、二人の男が大声でなにかを言いながら自分達を追いかけてくる。
kn「おいこら待てぇ!シャオロン!馬全部回収せんかい!」
rb「せやぞシャオロン!厩舎の戸締り当番はお前やろ!」
なにやらブチギレているような男たちを見て、Aは自らの危機であることをようやく理解した。
『何あの人達ガチギレじゃん!!!お兄さんなにしたの!?つかあの人達誰!?』
sha「なんもしてないって〜!」
なぜか楽しそうにケラケラと笑う男。危機感って言葉を知らんのかこいつは。
しかも、こちらが騒いでいる間にも向こうはじりじりと距離を詰めてきている。
距離が近くなって向こうの顔が見えたけどイケメンと可愛い系イケメン。こいつらも俺の敵。
今の状況はイケメン二匹VS.俺(フツメン)と俺を担いで走るイケメン一匹。
明らかに俺を担いでいる男の方が不利だ。なんとか俺だけでも捕まらないで無事に家に帰れないだろうか。(カス)
『追いつかれそうだから私のことどっかで置いてってお兄さんだけでも逃げて!』
sha「はあ〜!?何言ってんねん!アイツらが見逃すわけないって!」
Aが男の背中をバシバシと叩いてそう言うと、男は信じられない、とでも言いたげに顔をAに向けて猛抗議した。
『ちょお兄さん前見て危ない』
その瞬間、Aは空中へ投げ出された。
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あまつか(プロフ) - 好きです(突然の告白) (4月25日 22時) (レス) @page11 id: c520805468 (このIDを非表示/違反報告)
まかろん - 続きが楽しみです! (6月21日 23時) (レス) @page10 id: 0b9bf29afb (このIDを非表示/違反報告)
正鵠 - めっっっっちゃ好きなタイプの話です!!!無理しない程度に更新頑張ってください!!応援してます! (5月28日 8時) (レス) id: 219e9e7512 (このIDを非表示/違反報告)
悪役 - わ…!凄い好み…応援してますっ…! (5月17日 18時) (レス) id: 880400ecd8 (このIDを非表示/違反報告)
バランスの悪い棒人間(プロフ) - えある。さんありがとうございます✨更新頑張ります✨ (2023年5月3日 15時) (レス) id: 865cf0e3ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バランスの悪い棒人間 | 作成日時:2022年10月29日 2時