◇ ページ19
エミさん(仮称)が準備室のような所に戻ってから間もなく。
扉越しに鼻歌(森のくまさん…？)が聞こえてきたかと思えば、ドチッという何かにぶつかったような鈍い音と尻をしばかれたような甲高い悲鳴が届いた。
なんだなんだ、と中の様子が気になったらしい紗緒は駄弁っていた私に断りを入れ、席を立ったその時、ガチャリとドアノブが捻られた。
そこから出て来たのは
「いﾞたﾞた……あっ、シャオちゃ〜ん♡」
「ウゲッ」
ﾋﾟｪｯｯｯｯｯ…………失礼。SAN値は無事でした。
さて、この台詞だけで訪れた人物の正体なんて一発で分かるだろう。皆様お察しの通りあの鬱先生、……に酷似した人間である。
エミさん(仮称)とは違い、二度目*の彼と今世で大きな違いは見られない。挙げるとすれば二度目*の時より若干背が低いのと、常時スーツに染み付かせていた脂臭さが一切しないことくらいだ。多分この人絶対今世の(以下略)
脳が震え沸き立つ。今日だけで新しく二人も出会ってしまったのだ。推しの供給過多で既に召されそうになっている。てか死なせてくれ。邪魔や私。
今すぐにこの場から立ち去りたい衝動に駆られるが、陽呂と希が両隣に居るためどう頑張っても叶いそうになかった。アーメン。
というかあれか、紗緒がされたんはナンパという名の勧誘か。成程今分かった。…回り諄過ぎるやろ。
「んで、やっぱり無理そう?」
「んー…どうやろ」
「まぁあの二人やもんなぁ」
「骨が折れんで〜アレは」
「ﾌｯシャオちゃんごぼうやからホンマに折れてまいそうで怖いわぁ」
「はァーーーアホ」
「何言うとんお前ら」
空気に同化し耳に届かない位の声量でこそこそ話をしていた二人が突然こちらにも聞こえる声で互いに暴言を吐き始めるものだから、『何言ってんの？』と口に出す前に隣で希と駄弁っていた陽呂が代弁してくれた。
ホンマに何言ってんの二人？いや仲良さそうで何よりですけど。
「てかシャオって…？」
『紗緒の名前そのまま読んだんとちゃう？』
「おっふ…そうなんよ〜いや最初名前見せられた時サオって読めんくてな？名前分からんって言うのもアレやしいっそ渾名ってことにしてまえーってことで付いたんが」
「シャオってワケっすね、はい」
脊髄反射で出た言葉だったのだが、案外的を射ていたらしい。
「でもなんでちゃん付けなんすか？」
「語呂良えやん」
「確かに」
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怜巫(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます。イマジナリーッペンは自分でもお気に入りの造語です(笑)。ご期待に添えられるようなお話かは分かりませんが、気長にお待ち頂ければ幸いです… (11月20日 15時) (
レス) id: 42dc5a7528 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 今では珍しいパンゾンビ、P.6で出てきて懐かしすぎて久々に見に行ってしまいましたwイマジナリーッペンの語呂の良さ、微笑んでしまうようなやり取りetc…明日が一応更新日ということで、気長に楽しみに待っています！！ (11月18日 20時) (レス) @page33 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
怜巫(プロフ) - ワカメさん» お褒めいただきありがとうございます！遅筆ですが頑張って続きを作成中ですのでこれからも本作品を何卒宜しくお願いします！ (10月3日 20時) (レス) id: 138669c149 (このIDを非表示/違反報告)
ワカメ - ものすごく面白いです！続き楽しみにしてます！ (10月3日 18時) (レス) @page22 id: 103dc78d5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜巫 | 作成日時：2023年8月17日 5時
