◇* ページ44
︎ ︎
曇りのない姿見の前でふわりと長袍を揺らし、彼は首を傾げる。
映る姿は息を呑む程魅惑的で、一日限りなのが惜しいくらいだ。なんとか一週間程ハロウィンに出来ないものかと画策を練るが、私の中のイマジナリーッペンに全却下されたので現実でも期間を延長することは叶わないだろう。
八面玲瓏のような瞳が姿見越しに此方を見遣り、短く息を吐いた。
「どう？」
『百点満点です有難う御座います』
「んはっ、うぇ〜〜い」
満足そうにニカッと笑うシャオさんに反射でカメラを構えそうになる。額の上で揺れ舞う札が邪魔だが、それも含めての仮装なので仕方ない。まぁ、愛らしさは損なわれていないので良し！
てか本当に化物の仮装してます？実はそれ妖精だったりしません…？？(ないです)
「いやーでもこれ…コレ良いね！えーっとキョンシー？やっけ。めっちゃふわふわしとるやん楽し〜」
楽しそうにくるくる回るシャオさんに思わず頬が綻ぶ。当日ではないのでまだメイク等は施されていないが、完成された暁には基地内で死体が生まれるだろう。 わ た し の な ！！(迫真)
今回衣装作りに協力してくれたメイドさんには感謝しかない。長袍の生地が無いからと態々隣国から取り寄せてくれたらしい。本当に有難う御座います。御礼何が良いかな……
そんなことを考えていると、トテトテという微かな足音が近付いてきた。シャオさんも気付いたのだろう。先程まで浮かべていた太陽のようなキラキラした笑みがニヤニヤという意地悪い笑みに変化している。
服装も相まってか普段より一層色気が出ており、コチラは鼻血を出さないよう踏ん張るのに必死だ。眼福の極みである。
扉がリズム良く音を刻み、それから琥珀玉のような声がぶつけられた。
「邪魔すんで〜」
「邪魔すんのやったら帰れ〜」
「あいよ〜って何でやねん！！！！」
「ぅるっっさ！！」
お決まりの流れは矢張り変わらず、然し何時もより何割増しかになって返ってきた。相変わらず鼓膜に悪ｩﾞｳﾞﾝﾞｯｯ!!…天にまで響き渡りそうな ふつくしい御声である。
彼は面布の影から可愛らしい
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 192人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怜巫(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます。イマジナリーッペンは自分でもお気に入りの造語です(笑)。ご期待に添えられるようなお話かは分かりませんが、気長にお待ち頂ければ幸いです… (11月20日 15時) (
レス) id: 42dc5a7528 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 今では珍しいパンゾンビ、P.6で出てきて懐かしすぎて久々に見に行ってしまいましたwイマジナリーッペンの語呂の良さ、微笑んでしまうようなやり取りetc…明日が一応更新日ということで、気長に楽しみに待っています！！ (11月18日 20時) (レス) @page33 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
怜巫(プロフ) - ワカメさん» お褒めいただきありがとうございます！遅筆ですが頑張って続きを作成中ですのでこれからも本作品を何卒宜しくお願いします！ (10月3日 20時) (レス) id: 138669c149 (このIDを非表示/違反報告)
ワカメ - ものすごく面白いです！続き楽しみにしてます！ (10月3日 18時) (レス) @page22 id: 103dc78d5a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：怜巫 | 作成日時：2023年8月17日 5時
