◇* ページ45
「コイツホンマ……いや、こんな事しに来たんちゃうねん」
『ロボさん直々にいらっしゃるなんて珍しいですね。何用ですか？』
「そうそう、いや俺の用やないんやけどな？」
「さっき廊下で
『嗚呼！了解です、伝言感謝します』
インカムで呼んだ方が早かったのでは？と一瞬思ったが、直後にグルさんのインカムは現在進行形で修理中だったのを思い出した。多分代替機自室に置いたまんまやったんやろなぁ…。あんな彼でも、一応人間らしい所は探そうなんて思わずとも出てくるものである。
未だしゃがみ込んでいるシャオさんを頼むようロボさんに断りを入れ、私は総統執務室へと歩を進めた。
「やぁ。早速だがカタカナ、ここの資料に目を通してくれ」
『りょーかいです』
軍基地に居るとは思えないほど上下関係を感じさせないゆるい遣り取り(尚両者真顔)だが、それが我々クオリティである。
彼のペンが紙を走る音を追うように資料に向く瞳が動いてしまうのは最早条件反射的なものだろう。個々で呼び出されるのは年に数回程度しか無いのだが、積み重ねとは恐ろしいものだ。
一通り目を通し、記されていた内容を咀嚼する。資料が机に戻ってきたのを確認した彼は向かい合っていた書類から目を離し、ゆるりと弧を描く。
…視てはいけないものを見てしまったような、そんな気がして反射的に目を伏せた。そんな私に何を思ったのか、彼はクツクツと喉を鳴らし 流れるような動作でコーヒーが入れられたカップに口付ける。間もなくして喉仏が上下し、液体は彼のエネルギーになるべく胃に投下された。
あの無駄ひとつない動きに見惚れるのは何度目か、もう数えていない。
「ふぅ…さて、今回の件だが、カタカナ、君のトコの部下を一人、シャオロンの遠征班に臨時で入れさせて欲しい。既に彼らに話はつけてあるので後は君の同意だけだが、勿論断ってくれても構わない」
『…』
そこまで言われて私が拒否するとでも思っているのだろうか、この総統は。
さあ、後のことは言うまでもないだろう。
彼の提案を承認し、後日私の部下の一人はシャオさんのトコの班と共にハロウィンイベント現場へ出発。
街の子供たちと一緒に遊ぶシャオさんの写真と動画その他諸々(撮影許可承諾済)を戦利品として持ち帰ってくれた部下の前で私は床に倒れ込んだ。
家宝にする…(遺言)
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怜巫(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます。イマジナリーッペンは自分でもお気に入りの造語です(笑)。ご期待に添えられるようなお話かは分かりませんが、気長にお待ち頂ければ幸いです… (11月20日 15時) (
レス) id: 42dc5a7528 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 今では珍しいパンゾンビ、P.6で出てきて懐かしすぎて久々に見に行ってしまいましたwイマジナリーッペンの語呂の良さ、微笑んでしまうようなやり取りetc…明日が一応更新日ということで、気長に楽しみに待っています！！ (11月18日 20時) (レス) @page33 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
怜巫(プロフ) - ワカメさん» お褒めいただきありがとうございます！遅筆ですが頑張って続きを作成中ですのでこれからも本作品を何卒宜しくお願いします！ (10月3日 20時) (レス) id: 138669c149 (このIDを非表示/違反報告)
ワカメ - ものすごく面白いです！続き楽しみにしてます！ (10月3日 18時) (レス) @page22 id: 103dc78d5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜巫 | 作成日時：2023年8月17日 5時
