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目の前には黒のトレンチコートに身を包んだ金髪の男が、愉悦を滲ませたワインレッドの瞳を真っ直ぐに向けていて。
脳裏を過ったのは先日目にした総統抹殺の依頼。
勿論受けるつもりなんぞ無かったが、私の心中を知らない彼らからすれば暗殺者なんて危険の芽でしかないのも確かで。
自分で言うのもなんだが 怪しい身なりの私を生かしてはおく訳無いだろう。
──ならば、何故私は生きている？
混乱でぐるぐる回る視界の左で揺れる赤に気付き其方を向けば、大太刀に手をかけ準備万端殺る気充分な黒縁メガネの長身の男が、更に奥にはトルコ帽を被った糸目の男が、突き刺すような視線を向けている。
あっやっぱり殺される。そう確信したその時、地を這うような低い声が鼓膜を震わせた。
"「我々の仲間にならないか？」"
目が点になる、とはこういう時に使うのだろう。
聞けば、抑誘拐された経緯があの時私に関心を持った彼が有らん限りの力を使って根城を割り出した後、私が呑気に寝ている隙を見計らってトンさんに攫わせるよう命じた……ということらしい。行動力の化身ですか？？？
別に勧誘を断る理由も、然し承諾する義理も無かったので一旦保留ということにし逃奔を図れば、案の定オスマンさんにバレた。流石の観察眼だと拍手喝采を送りたい。私を逃がすまいと拘束を図るトンさんを火事場の馬鹿力で跳ね除け要塞から逃げ出せば、何故かウッキウッキしだしたグルさん(5歳児モード)に後日再度捕まり何時の間にか仲間入りを果たしていた。
ヤ、ちゃうんです。
何がちゃうんや 言われれば別に何もちゃうくないんですけど待って。
圧倒的解釈違い過ぎて震える。どうしてこうなった(頭抱え)
もうちょい論争頑張ってくれ前世の私……なんて、今更嘆いても仕方ないのだけれど。
余談だが、当初の私はオスマンさんのことを女性だとばかり思っていた。
華奢な体格だったというのも一つだが、お肌や髪の綺麗さ、ふと出る仕草が女性のソレに酷似していたから……何か変態みたいやな。
因みに二度目*の世界のオスマンさんはとてもよろしおすでした。言動は変わらず変態紳士やったけど。
ㅤ
「A」
母さんの声に はっと意識が現実へと引き戻される。どうやら誰かがお見舞いに来てくれたらしい。
面会可能になってからというもの毎日クラスメイトが代わる代わる訪れてくれるのだ。退屈しないから退院するまで毎日来て欲しい。
暇は人類共通の敵、はっきりわかんだね。
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怜巫(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます。イマジナリーッペンは自分でもお気に入りの造語です(笑)。ご期待に添えられるようなお話かは分かりませんが、気長にお待ち頂ければ幸いです… (11月20日 15時) (
レス) id: 42dc5a7528 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 今では珍しいパンゾンビ、P.6で出てきて懐かしすぎて久々に見に行ってしまいましたwイマジナリーッペンの語呂の良さ、微笑んでしまうようなやり取りetc…明日が一応更新日ということで、気長に楽しみに待っています！！ (11月18日 20時) (レス) @page33 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
怜巫(プロフ) - ワカメさん» お褒めいただきありがとうございます！遅筆ですが頑張って続きを作成中ですのでこれからも本作品を何卒宜しくお願いします！ (10月3日 20時) (レス) id: 138669c149 (このIDを非表示/違反報告)
ワカメ - ものすごく面白いです！続き楽しみにしてます！ (10月3日 18時) (レス) @page22 id: 103dc78d5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜巫 | 作成日時：2023年8月17日 5時
